過去の人身事故情報
「人里に出没するクマ対策の普及啓発および地域支援事業」
人身事故作業部会報告
北海道環境科学研究センター 釣賀一二三
目的
過去に発生したクマによる人身事故事例に関する情報を集約し、事故発生に至った状況と事故発生の原因を可能な限り把握するとともに、今後人身事故が発生した際に収集すべき情報を整理することです。
作業課程
3年間の事業期間を以下の段階に分けて進めていきます。
初年度:全国をいくつかの地域(例えば北海道、東北.甲信越など)に分け、各地域の取りまとめ担当が直接、あるいはそれぞれの地区(各都道府県)の情報提供者経由で人身事故に関する情報を収集します。収集する情報の内容は、以下の通りです。
・過去に人身事故が発生しているかどうか
・年度ごとの大まかな件数(特筆すべきものを除いて戦後を目安に集計)
・それぞれの事例についてどの程度詳細な情報が収集されているか
2年目:収集した情報の質と量から取りまとめ方針を決定し、個々の情報について精査を行います。また、初年度に収集しきれなかった情報の追加と、必要があるものについては、さらに詳細な情報を収集します。
3年目:成果品(アウトプット)を作成します。
アウトプット
以下の2点を予定しています。
報告書:人身事故に関する情報を取りまとめた報告書の作成(情報の質と量が十分な場合は、事業終了後に出版物として発行することも検討しています)。
人身事故情報収集マニュアル:人身事故発生時に収集すべきデータを整理した対応マニュアルを作成します。
現在の作業状況
各地域の取りまとめ担当者が決定し、今年度中を目処にそれぞれの地区の情報収集を終える予定です。今年度の成果の一部として、2009年3月13日時点における都道府県ごとの情報件数と、そのうち詳細な情報が存在するものの件数について、集計結果(暫定)を掲載いたしました(表)。それぞれの事例に、実際どの程度の情報があるのかを精査しなければなりませんが、現時点で詳細な情報が得られている事例が、300件以上存在することが明らかになっています。来年の早い時期に取りまとめ担当者による会議を開催し、今後の取りまとめの方針について議論する予定です。